僕たちの戦争

〜BOOK DATA〜
"根拠なしポジティブ"の現代のフリーターと、昭和19年の「海の若鷲」
にあこがれる軍国青年が時空を超えて入れかわった!それぞれの境遇に
順応しつつも、ふたりはなんとか元の時代に戻ろうとするが…。
おもしろくてやがて切ない、愛と青春の戦争小説。
〜〜
これはなかなか面白かった。
この作家さん、最近は、重いテーマだったり、不遇の主人公を扱った
作品が多いが、その作品自体にはいわゆる"暗さ"といったものがあまり
感じられない。この作品も、戦争と現代社会の姿をテーマにしつつ、
ＳＦの手法を使った社会風刺＆ユーモア小説に仕上がっている。
デビュー作の「オロロ畑でつかまえて」や続編の「なかよし小鳩組」
のようなユーモア度が高い初期の作品から順番に読むと、なるほど
なぁ〜、小説家ってすごいな、面白いなと思う訳である。